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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
「そのようなつもりは毛頭ございませぬ。ただ、私は一人の人間として、殿の今のご様子を見過ごしにはできぬと思うたまでにございます」
「それは、ますます聞き捨てならぬな。そなたは哀れみで俺に抱かれると申すか。俺を哀れんで、その身体を差し出すか」
 どこか自嘲めいた口調に、泉水は何も言わず、寝衣の帯を解いた。衣擦れの音がなまめかしく閨の内に響く。寝衣をそっとすべらせると、胸乳までは見えないが、白いなめらかな肩があらわになる。
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