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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第45章 《巻の参―変化(へんげ)―》
あれは、泰雅に犯され、無念の中に若い生命を散らした娘の怨念が咲かせた花なのだろうか。今となっては事の真偽を確かめるすべもないけれど、そのような悲劇を二度と繰り返してはならない。
泉水は無意識の中に立ち上がっていた。
「奥方さま?」
美倻の気遣わしげな声が追いかけてくる。
だが、泉水は頓着せずに次の間を横切り、廊下に出た。
そこで泉水が眼にしたものは、思わず眼を背けたくなるような酷い光景であった。