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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
 が、何度か泰雅に貫かれた後、突如として夫婦だけで過ごす寝所に遠慮がちに声をかけてきた者があった。泉水の乳母時橋が襖越しに、表の方から家老の脇坂倉之助が泰雅を呼んでいると伝えてきたのだ。時橋は実家の槇野家から榊原家に輿入れしたときにも付き従ってきた。泉水が生誕の頃からずっと傍にいる乳母である。いわば、母代わりの存在であった。
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