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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
泉水は内心の動揺を必死でひた隠しながら、気ぜわしく着替える良人に傍に控え、その着替えを甲斐甲斐しく手伝っていたのだ。
「あの―、一体何事がおありになったのでございますか?」
泉水が遠慮がちに問うと、泰雅は珍しく眉をひそめた。それは、泉水にこの件に関しての深入りを許さないという意思表示である。
「そちには拘わりなきことじゃ。案ずるには及ばぬ。夜明けまでには戻れるとは思うが、もしや戻れぬときもあろう。心配致さず、俺の帰りを待て」
「あの―、一体何事がおありになったのでございますか?」
泉水が遠慮がちに問うと、泰雅は珍しく眉をひそめた。それは、泉水にこの件に関しての深入りを許さないという意思表示である。
「そちには拘わりなきことじゃ。案ずるには及ばぬ。夜明けまでには戻れるとは思うが、もしや戻れぬときもあろう。心配致さず、俺の帰りを待て」