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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
「まあ、その間、大勢の人に迷惑をかけちまったがな。今は反省して、ほれ、このとおり、代書屋の真似事のようなことをして何とか暮らしていってるよ」
代書屋とは、読み書きのできぬ者、或いは字の下手な者に代わり、文や書面を書いてやる仕事である。地味な仕事ではあるが、秋月家の倅であれば、それ相応の教育は受けてはいるであろうゆえ、良いところに眼をつけたものだと思った。
「良かった」
泉水は心から安堵して、そう言った。