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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
「俺は! 泉水、お前を好きなんだ、五年前、初めて逢った日から、お前のことを忘れた日はねえ。だが、ひとめ惚れした女は、その時、既に他の男の女房だった。幾ら俺でも他人さまの女房にまで手を出すような畜生じゃねえ。だから、我慢してきたんだ。お前が亭主と別れた今、もう誰にはばかることもない。泉水、俺とこのままずっと、一緒に暮らそう」
「兵庫之助さま」
泉水は、蒼褪めた。一体、何ということを兵庫之助に言わせてしまったのだろう。後悔しても、遅かった。
「兵庫之助さま」
泉水は、蒼褪めた。一体、何ということを兵庫之助に言わせてしまったのだろう。後悔しても、遅かった。