この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第46章 《巻の四―儚い恋―》
初めは上手くいっていた泰雅との関係が次第にぎくしゃくし始めたこと。その原因は泰雅だけにあるのではなく、自分の潔癖さにもあったこと。五年前に榊原の屋敷を出て、ひそかに身を隠したことも、江戸から遠く離れた月照庵に身を寄せていたことまで話した。更に、黎次郎の出産、出家と順を追って話し、泰雅から半ば脅迫され、江戸に戻らざるを得なくなった話までを延々と話した。
長い話になった。すべてを語り終えた時、既に夜はかなり更けていた。
長い話になった。すべてを語り終えた時、既に夜はかなり更けていた。