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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
何より兵庫之助は泉水の身体目当てではなく、泉水の心―泉水の存在そのものを認め、必要としてくれている。それが判るからこそ、泉水はかえって安堵して心から兵庫之助に身を委ねることができるのだ。
たとえ身体的には結ばれてはいなくても、泉水は自分はこの男の〝妻〟なのだと胸を張って言える。いや、この男の妻なのだということを誇りにすら思える。
「もっとも、鰻を食ったくらいじゃア、贅沢っていうほどの贅沢とも言えねえかもしれないが」
たとえ身体的には結ばれてはいなくても、泉水は自分はこの男の〝妻〟なのだと胸を張って言える。いや、この男の妻なのだということを誇りにすら思える。
「もっとも、鰻を食ったくらいじゃア、贅沢っていうほどの贅沢とも言えねえかもしれないが」