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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第48章 《巻の壱―涙―》
「どうして、どうして、諦めろなんて言うんですか? 忘れられるはずがないじゃありませんか、あのひと、三日前はまだちゃんと元気で生きてたんですよ? あの日だって、早く帰ってくるから、一緒に鰻でも食べにいこうって笑って出ていきました。それが、まさかあの人と交わした最後の言葉になるなんて、私もあの人も思ってもいませんでした。その咎人が、うちの人を殺した奴が私たちのささやかな幸せを一辺に壊してしまったんです。私は、そいつを許せない。親分がどうしても教えて下さらないっていうなら、自分で探してでも殺してやります」