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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
揉み合うようにして夜具に倒れ込み、男と女は一糸まとわぬ姿で絡み合う。二人は夜中、焔のような情熱に包み込まれ、愛し合った。
泰雅が表に帰った後、泉水は腰元の介添えで顔を洗い、化粧を済ませる。鏡に向かった泉水の髪を腰元が丁寧に梳る。とはいっても、いまだ還俗して五ヵ月にしかならぬ泉水の髪は漸く耳の下辺りまで生え揃ったばかりだ。普段は髢(かもじ)を付けているが、まだまだ地毛で髪を結える長さには達していない。