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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
それでなくとも、酒に溺れ日に日に尋常さを失ってゆく泰雅に真っ向から意見できる勇気のある者などいない。もし機嫌を損じれば、その場で斬り捨てられるからだ。
幸いにも、奥方が戻ってきてから、泰雅はまた以前の穏やかさを取り戻しつつあるようだ。帰還したその夜から褥を共にし、毎夜、奥方の許で過ごす。その寵愛ぶりだけは以前にもまして尋常ではなかったが、それを除けば、泰雅は朝から奥座敷に閉じこもって酒を呑むこともなくなった。
幸いにも、奥方が戻ってきてから、泰雅はまた以前の穏やかさを取り戻しつつあるようだ。帰還したその夜から褥を共にし、毎夜、奥方の許で過ごす。その寵愛ぶりだけは以前にもまして尋常ではなかったが、それを除けば、泰雅は朝から奥座敷に閉じこもって酒を呑むこともなくなった。