この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
美倻の話では、お千紗の懐妊が判明したのは七月の終わりであったという。既に四ヵ月に入っており、それまで悪阻と思われる体調不良などを訴えていたのだが、泰雅は毎夜の夜伽をさせていた。そのことが、お千紗の身体を余計に衰弱させることになった。
ある日、お千紗が大量の出血をし、倒れた。そのことで、侍医が呼ばれ、懐妊が明らかになったのである。以後は奥向きで療養生活を送ったが、その甲斐もなく、弱り切ったお千紗は腹に泰雅の子を宿したまま十五歳の生命を散らした。
ある日、お千紗が大量の出血をし、倒れた。そのことで、侍医が呼ばれ、懐妊が明らかになったのである。以後は奥向きで療養生活を送ったが、その甲斐もなく、弱り切ったお千紗は腹に泰雅の子を宿したまま十五歳の生命を散らした。