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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
 背後で気遣うような声が遠慮がちに聞こえてくる。
「私は罪深い女子ですね、美倻」
 泉水は庭に茫漠とした視線を投げたまま、呟いた。その口調は、いつになく投げやりだ。いや、三月ぶりに帰ってきたこの美しい奥方は、以前とはどこか微妙に違う。そのことに、勘の良い美倻は、とうに気付いていた。
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