この作品は18歳未満閲覧禁止です
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
「酷い言い方ではございますが、お千紗さまの御事は致し方ないのではございませんでしょうか。折角、殿の御子を授かられながら、あのように儚くなってしまわれたのはご不幸としか言いようはございませんけれど、それもまたお千紗さまの運命であったのやもしれませぬ。ましてや、お千紗さまがお亡くなりあそばされたのは、お方さまがお留守中の出来事、お方さまに罪など、ありようはずもございませぬ。あまりお気に病まれますな」