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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
 両脚を押しひろげられ、脹ら脛をつうっと撫でられ、太股に口づけられた。
「あ―、ああ」
 泉水の唇から艶めかしい声が洩れた。
 高く昇りつめていこうとする身体を懸命に現実へと引き戻し、泉水は自分の指に歯を立てた。その指に、泰雅が唇を寄せる。
 いつのまにか、行灯の明かりも弱まった。泉水の喉を汗の玉がすべり落ちてゆく。その雫を泰雅はそっと唇で吸い取った。
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