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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第49章 《巻の弐―哀しみの果て―》
喉の渇きを憶え、泉水は眼を見開いた。悪い夢を見ていたような気がする。いかほど眠ったのかも知れず、泉水は小首を傾げながら、ゆっくりと褥に身を起こした。
あれは、一体何だったのだろう。男に幾度も抱かれ、あられもない痴態を見せていた女は―。
そこで、ハッと我に返った。
思い出したくもない数々の場面が脳裡に蘇り、愕然とする。
あの女は、男の上に跨り淫らな声をを上げていたのは、他ならぬ我が身ではないか!