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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第50章 《巻の参―臥待月の夜―》
「まあ、良い。仇討ちに参ったと申すのであれば、それは認めよう。だがな、泉水。そちが良人の仇と申す憎い男が俺だとすれば、そちは毎夜、その憎い男に抱かれて悦びの声を上げておったのではないか? 以前のそなたなら、仇云々は抜きにしても、考えられぬことだ。あまつさえ、俺が仇だと申すのであれば、その仇に身を任せ、淫らに悦びの声を上げ乱れることについては、どう申し開きを致す所存じゃ? そなたは、その細い腰で夜毎、俺を存分に愉しませた。そして、そなた自身も十分愉しんだはずだがな」