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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第2章 巻の壱ー槇野のお転婆姫ー

いくら男前で上さまのお血筋につながり、切れ者と評判との男でも、泰雅は泉水の良人には相応しからぬような気がする。泉水は真っすぐな心根の裏表のない娘だ。日がな女の尻を追いかけまわしているような浅薄な男と到底うまくゆくとは思えない―。
それでも、源太夫は娘のこの結婚を祝福し、叶う限りの支度を整えて送り出してやった。
こうして、勘定奉行槇野源太夫の息女泉水は、今年の春まだ浅い日、榊原家に輿入れした。泉水は十七歳になっていた。
それでも、源太夫は娘のこの結婚を祝福し、叶う限りの支度を整えて送り出してやった。
こうして、勘定奉行槇野源太夫の息女泉水は、今年の春まだ浅い日、榊原家に輿入れした。泉水は十七歳になっていた。

