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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第50章 《巻の参―臥待月の夜―》
「はて、それは、どうであろうな。その点については気付いていたとも言えるし、気付いてはいなかったとも言えるだろう。俺は、そなたがどれほど潔癖であったかをよく知っている。俺が知るそなたであれば、いかに心に秘めたる決意を持っていたとしても、好きでもない男に進んで抱かれるとは思えなかった。ゆえに、正直、俺は、何故そなたがここに戻ってきたのか初めは判らなかった。だが、その中にそのような理由はどうでも良いと思うようになった。