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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
「当然にございましょう。殿にはいまだお世継ぎもおわさず、このようなことを申し上げては何でございますが、この榊原さまのお家のご当主は代々短命、皆さまお若くしてお隠れあそばされておわしまする。先代の殿も三十お幾つというお若さでご無念のご逝去、となれば、万が一、殿の御身に変事がありしときは、この榊原のお家は断絶ということになったしまいます。おん母君さまがお家のゆく末をご心配なされるのは当然のことにございましょう」