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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
泉水はいつも泰雅にとって憧れであり、希望であった。だが、結局は、その自分のあまりにも深すぎる愛情が、あの女の一生を狂わせ、不幸に陥れることになった。
泉水には申し訳ないことをしたという想いはある。しかし、たとえ何度生まれ変わったとしても、自分は同じことを繰り返すだろう。
あの女に恋し、手に入れるようと躍起になるだろう。永遠に手の届かぬ存在だからこそ、余計に欲しいと執着するのは皮肉なものだった。