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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
「おせんさん、お前さん―、一体、今までどこでどうしていたのかえ」
 あの美貌の女、おせんもまた眼を丸くして勘七を見つめていた。
「親分さん、あのときは本当に色々とお世話になり、ありがとうございました」
 しばらくは愕きを隠せなかった様子のおせんだが、やがて、花のような微笑を浮かべた。
「私、去年の十月には、もうここに戻ってきてたんですよ。結局、この長屋しか行くところはないですから。それに、ここは、うちの人と過ごした想い出の場所ですしね」
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