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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
「時橋、そなたは知っておったのではないか、この噂、表の方では真しやかに語られておるそうな。そなたほどの情報通がこの噂を知らぬとは思えぬ。そなたのことじゃ、私に要らざる心配をさせまいと黙っておったのであろう。したが、私はたった今、この耳で確かに聞いた。殿にはお手つきの女子がおって、その女を町中の屋敷に住まわせており、あまつさえ、その女は殿のお子を身ごもっておるとそうな」
「誰がそのような根も葉もない噂をお方さまのお耳に入れたのでござりますか」
「誰がそのような根も葉もない噂をお方さまのお耳に入れたのでござりますか」