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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 泉水は軽く首を振った。
「叶うものならば、戻りたいのう、時橋。あの頃に、槇野の家に居た頃に戻りたい」
 まだ恋どころか、人を好きになることさえ知らなかった無垢な自分に。庭を駆け回り、木刀を振り回し、町に出ては様々な物や人を見、無邪気に大きな眼を煌めかせていた少女の頃に。
 叶うなら戻りたい、帰りたかった。
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