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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第58章 《弐》
「おせんさん、ちょいと邪魔をしても良いかな」
 開け放したままの腰高障子から顔を覗かせると、おせんは丁度、お征とちゃぶ台に向かい合って昼飯の最中であった。
「おっと、悪ィ。食事中なら、出直すよ」
 そう言って慌てて引き返そうとする背中に、おせんの朗らかな声が追いかけてくる。
「構わないんですよ、もう殆ど終わっちまったんですから」
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