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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 たっぷりと乳を呑んだ赤児は、あっさりと眠りに落ちる。弥子は史奈が眠ったのを見届けると、そっと立ち上がった。史奈の傍らでは郁奈と倖奈があどけない寝顔を見せている。倖奈の小さな手が布団からはみ出しているのを見て、弥子はそっとその手を布団の中に戻してやった。
 なおも子どもたちの寝顔を見つめ、弥子は良人の部屋にと戻る。
 嗣道は部屋の障子戸を開け放ち、濡れ縁に座っていた。何をしているというわけでもなく、ただぼんやりと空を眺めているようだ。
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