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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 侍医は恐らく、そうなることが予測できたからこそ、懸命に押しとどめようとしたのだろう。その侍医の真意を汲むことができなかったのは、お側にいた自分の失態であった。
 弥子の懺悔にも似た述懐に、嗣道はただ黙って耳を傾けている。
 弥生の上旬とはいえ、夜気はまだまだひんやりとした冬の名残を含んでいる。
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