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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 物想いに沈む弥子に、嗣道の深い声が滲み入るようであった。
「弥子、過ぎたことを悔やむのは止せ。誰にも宿命は変えられぬ。奥方さまは、はきとかどうかは判らぬが、その己れの宿命を自覚しておられた。ご自分に天から与え給うた時間は限りがあると思われたゆえ、その残された刻を精一杯有効に使いたいと思し召されたのだろう。
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