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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
 誠一郎はガバと顔を上げ、怒鳴った。
―おのれ、それでも人間か! よくもそのように惨いことを申すものだ。貴様は三年も連れ添うた妹をまるでボロ雑巾のように捨てるというのか!?
 が、壱之進は不敵に笑った。
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