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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
それにな、誠一郎。この際ゆえ、しかと申しておくが、俺が求めるのは妻ではない、女なのだ。お京と美咲のいずれかを取るかと訊ねられたら、俺は迷わずお京を選ぶ。
―それは、女に子がいるせいか? 子可愛さの情ゆえに、貴様はその女をどうでも捨てられぬというか?
誠一郎の問いに、壱之進はいかにも皮肉げな笑みを刻んだ。
―それは全く関係ない。たとえ子がおらずとも俺はお京と生きる道を選んだだろうな。そういう意味では、俺は三年前選択を誤った。
―それは、女に子がいるせいか? 子可愛さの情ゆえに、貴様はその女をどうでも捨てられぬというか?
誠一郎の問いに、壱之進はいかにも皮肉げな笑みを刻んだ。
―それは全く関係ない。たとえ子がおらずとも俺はお京と生きる道を選んだだろうな。そういう意味では、俺は三年前選択を誤った。