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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
 男の言葉に、温かなものが胸にひろがってゆく。ここ久しく忘れていたもの、自分がこれからの生涯二度と持つことの叶わぬと諦めていた甘やかな感情であった。
 見つめ合う二人の傍を秋の風がそっと通り過ぎていった。
 山里の小さな村は今、秋たけなわを迎えている。
 山里の秋の深まりを表すかのように、朝焼けの光を浴びて山の紅葉が紅く燃えていた。


       (外伝第四話【十三夜の月】了)



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