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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》
 早く、あの紫陽花を見たいと思った。
 自分の生きてゆく場所は、最早ここではない。泰雅のいる場所、榊原の家こそが泉水の本来あるべき場所なのだ。
 そっとうつむくと、泰雅がくれた一輪の紫陽花が膝の上に乗っている。胸のすくような、すっきりとした蒼が嬉し涙に滲んだ。


         (第二話 恋紫陽花 了  )


 ☆ 明日から第三話 夕顔の妻 に続きます。 ☆ 
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