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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
「私を呼んでいたのは、あなたですか?」
 問うと、男の顔に当惑の色がよぎった。
「あ、ああ?」
 男は首を傾げながら、泉水の方ににじり寄った。
 泉水はゆっくりと首をめぐらせた。
 どうやら、薄い夜具に寝かされているらしい。身体を起こそうとすると、身体の節々に痛みが走り、泉水は顔をしかめた。
「まだ動けやしねえよ。無茶をしちゃならねえぜ。何しろ、お前は丸五日もの間、眠りっ放しだったんだ」
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