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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》

雨は止むどころか、ますます烈しくなるようだ。地面を、屋根を打つ雨音が耳につく。
あの男は、この雨の中を帰っていったのか。そして、男の帰っていった場所にこそ、あのおさよ―泉水の本来居るべき場所がある。
そこまで考えた時、誠吉の中で熱いものがたぎり、身体中を駆け巡った。絶対に返さない、誰にも渡さない。あの女は俺のものだ。死の淵から俺が助け出したのだ。
もう二度と惚れた女を奪われるのはご免だった。おさよ、いや、泉水だけは失いたくないと強く思った。
あの男は、この雨の中を帰っていったのか。そして、男の帰っていった場所にこそ、あのおさよ―泉水の本来居るべき場所がある。
そこまで考えた時、誠吉の中で熱いものがたぎり、身体中を駆け巡った。絶対に返さない、誰にも渡さない。あの女は俺のものだ。死の淵から俺が助け出したのだ。
もう二度と惚れた女を奪われるのはご免だった。おさよ、いや、泉水だけは失いたくないと強く思った。

