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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》

榊原の屋敷から町人町までは、徒歩(かち)でも知れている。そのような近くにいながら、何ゆえ泉水の居場所が掴めなかったのか疑問にも思われたけれど、多くの砂粒に紛れてしまえば、ひと粒の砂金を探し出すのは難しい。
それと同じ理屈で、あれほど多くの同心や岡っ引きを総動員しながらも泉水の所在を突き止めるのに手間取ったのだ。また、泉水を助けた錺職人の誠吉が用心して、泉水をなるたけ外に出さぬようにしていたことも発見を遅らせる一因にはなったようだ。
それと同じ理屈で、あれほど多くの同心や岡っ引きを総動員しながらも泉水の所在を突き止めるのに手間取ったのだ。また、泉水を助けた錺職人の誠吉が用心して、泉水をなるたけ外に出さぬようにしていたことも発見を遅らせる一因にはなったようだ。

