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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第13章 《巻の参―驟雨―》
「ま、何がおかしうて、そのようにお笑いになられるのでございましょう。ほんにお方さまはこの時橋の心もお知りにならず―」
長々と続きそうな説教に、泉水は小さく溜息を零す。むろん、時橋に気付かれないようにだ。
初秋の風が身の傍を通り過ぎていった。
庭の睡蓮の蕾が揺れている。
お転婆姫の帰還で、榊原の屋敷はまた、いつもの賑やかさを取り戻したようだ。
( 第三話 了 )
☆ 明日から第四話 過去から来た男 へ続く ☆