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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
 そう、祐次郎が亡くなった後、泉水は幾度思ったことだろう。これが悪い夢ならば、どんなに良いか。眼が覚めれば、祐次郎はちゃんと生きていて、事態は何もこれまでと変わってはいない―、そうであれば良いと何度も願った。
 でも、あれは夢などではなかった。【祐次郎は確かに死んだのだ】。
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