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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
「本当は、私だって殿に側室なぞお持ち頂きとうはない。殿が他の女子に笑いかけたりするのを見とうはない。されど、それが所詮は、武家に生まれた女子の運命(さだめ)、習いであろう。いつまでも子どもじみたことばかり申して、殿を困らせとうはない。私がかような我がままを申せば、お困りにならるるのは殿じゃ。重臣たちと私との間で板挟みになって、さぞ辛き想いをなされるであろう。私には到底そのようなことはできぬ。殿をお苦しめしとうはない」
「お方さま―」
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