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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 どうやら秋月の倅は、この男の正体に心当たりがあったらしい。まともに相手にするにはまずい人物だと判断し、この場は退いたのだろう。
 歳は二十五、六だろうか。涼しげな顔立ちの美男である。とはいえ軟弱な印象はなく、貴公子然としながら、同時に精悍さをも持ち合わせており、泉水でさえ思わず見惚れてしまうほど魅力的な男であった。
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