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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第17章 《巻の参―幻(げん)花(か)―》
 だが、般若は相も変わらず低い笑い声を立てているばかりだ。ひとしきり癇に障る笑い声を上げた後、般若が言った。
「人を呼ぼうとしても、無駄ですよ。律儀な乳母どのを初め、お付きの二人の女どもは皆、眠らせていますから」
 今までとはまるで別人のような凄みのある声に、氷を背筋に当てられたような恐怖を感じた。
「時橋たちを殺したの?」
 鋭く問うと、般若は笑った。
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