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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》
「は、されば、殿が上さまお見舞いから当屋敷に戻られる最中、何者かに襲われ―」
 脇坂が再び同じ科白を口にしている途中で、泉水はそれを遮った。
「して、殿は、殿のご安否は? 殿はご無事でおわすのか」
 気がかりは、やはり泰雅の身の安全だ。泉水の縋るようなまなざしに、脇坂は首肯して見せた。
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