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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》

「私は産まれたそのときから、そなたの乳を呑んで育った身じゃ。ゆえに、そなたこそが私の真の母(はは)さまと思うておる。そのそなたに、私がこうして心から頼んでおるのじゃ。知っておることがあるならば、どうか隠さずに教えてはくれぬか」
「勿体ないお言葉にございます」
時橋の声がかすかに震えた。
「真のことではないか。母上さまは私が五歳の折、身まかられてしもうた。私には最早〝母〟と呼べる人はおらぬ。されど、時橋は私にとって生涯変わらぬ心の母、真の母上よ」
「勿体ないお言葉にございます」
時橋の声がかすかに震えた。
「真のことではないか。母上さまは私が五歳の折、身まかられてしもうた。私には最早〝母〟と呼べる人はおらぬ。されど、時橋は私にとって生涯変わらぬ心の母、真の母上よ」

