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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》
 泉水自身、榊原家に嫁ぐ前は町の道場に通って、師範代を務めていたこともある遣い手だ。剣の道なら多少は心得があった。泰雅もまた一刀流の遣い手であると聞いている。
「うむ。確かに、なかなかの遣い手であったな。もし万が悪ければ、落命していたやもしれぬ。それほどの遣い手であった。あの剣の使い方には憶えがある」
「―それは、以前、その者と立ち合われたことがあるということにございましょうか」
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