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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第19章 《其の壱―嵐―》
「そんなに痛うございましたか?」
 申し訳なさにまた涙ぐみそうになっていると、泰雅がうつむいたままで言う。
「泉水、こちらへ」
 言われるままに近づくと、いきなり左手で強く抱き寄せられ、唇を奪われた。
「殿?」
 愕きに身動きもできないでいる泉水に、泰雅が弾けたように笑い始めた。
「引っかかったな。まだまだ泉水も甘い、甘い」
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