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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
 二日前、泰雅は確かに言っていた。泰雅と尾張大納言とは面識があるという。ならば、良人の知人でもあるというわけで、余計に泰雅の妻としては対面せずに追い返すことはできないだろう。泰雅の名や体面を傷つけるような行為だけは断じてしてはならないと自らを固く戒める。
 そんな泉水を見て、時橋は微笑んだ。
「お方さまもこちらに嫁がれてはや一年、流石にご立派なご内室さまにおなりでございますね」
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