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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
 艶然とした微笑を浮かべて、さらりと言うこの男は一体、何なのか。だが、その眼だけは冷え冷えとした光を宿していて、この尾張藩主徳川光利が口先だけの軽薄な男ではないことは判る。見かけや種類は違っても、この男もまた泰雅と同様、浮ついた外見の下に怜悧な叡智と鋭い牙を隠し持っているのかもしれない。
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