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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
「そうか、やはり、そなたもまだ何も聞かされてはおらぬのだな。奥方、榊原どのが奥方にさえ話してはおらぬことを私がそなたに話すべきではない。それは直接に、榊原どのに訊ねるが良かろう」
光利は依然として庭を見つめたまま、静かな声で言った。
「今後は、こたびのような不祥事が二度と起こらぬように、私がここで約束致そう。奥方には余計な心配をかけた。榊原どのに逢えなかったのは残念だが、くれぐれもよろしくと伝えてくれ」