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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第15章 第四話【花笑み】 《其の壱》
 美空は再び庭に向き直ると、眩しげに花を照らす春の陽光に眼を細める。きらきらと桜の花が螺鈿細工のように光を弾く。時折、気紛れにそっと梢を揺らす風に、きらきらと煌めきながら舞い散ってゆく花びら。
 本当にいつまで見ていても、飽きることがない。
 美空が笑いながら言ったそのときであった。
「御台さま、どなたかお見えのようにござります」
 智島がかすかに美しい眉を顰めた。
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