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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
 尾張藩主時代と同様に、妻の許に顔を見せるのは専ら夜だけに限られていた。美空もまた表で政務に没頭する良人の大変さ、多忙さをよく理解していたゆえ、それを淋しいと感じたことはない。
 その家俊が今日に限って滅多になく昼間に訪れ、美空は訝りながらも笑顔で良人を迎えた。
 徳千代と孝次郞が手鞠を投げ合って遊んでいる。孝次郞がまだ上手に受け取れないのを、徳千代がいかにも兄らしく大人ぶった物言いで教えてやっているのも微笑ましい。
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