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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
 そんなことをとりとめもなく考えていると、家俊がまたも思いもかけぬことを言う。
「美空、そなたは幸せか?」
 自分のことを〝俺〟と呼ぶように、いまだに家俊は美空を本名で呼ぶ。芳子と呼ぶのは、人前だけだ。美空には、その心遣いも嬉しかった。美空という名は亡き父が美しき空のようであれとの願いを込めて付けた名でもあるからだ。
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